金融高度化セミナー・説明資料証券市場の全体的かつ横断的なBCP整備に向けた取組みについて2006年9月19日日本証券業協会自主規制企画部山内公明１．証券会社のＢＣＰの整備＜経緯と取組み＞１．顧客資産の保護、取引の安全性確保、証券会社・証券市場の機能維持を目途に、証券会社における事業継続体制の整備が不可欠２．２００５年２月、日証協に「会員の緊急時事業継続体制の整備等に関するワーキング」を設置３．２００５年６月、「会員の緊急時事業継続体制の整備に関するガイドライン」（日証協理事会決議）を制定し同年７月に施行1２．証券会社のBCPの概要≪概要≫会員の立地条件、業務の特性・規模及び想定される災害等に合わせて、具体的な点検・検討を進め、基本計画である事業継続計画を策定するとともに、BCP対策本部の設置、緊急時連絡網や重要データのバックアップ体制の整備のほか、BCPの実効性を確保するための体制整備を要請≪項目≫１．災害発生時等の事業継続体制の整備及び基本的な考え方２．「事業継続計画」における具体的整備項目３．本店又はデータセンター等の重要拠点が被災した場合の具体的措置項目４．「事業継続計画」の実効性を確保するための体制整備2３．証券市場全体のＢＣＰへの取組み＜経緯と取組み＞１．２００５年９月、戦略部門及び自主規制部門双方の最高意思決定機関共管の下部機関として、「証券市場全体の事業継続計画に関する検討ワーキング」を設置２．２００６年２月、「証券市場関係機関及び参加者間に亘る全体的且つ横断的な事業継続計画の整備のための取組みについて」（証券市場全体的ＢＣＰ報告書）の取りまとめ公表３．２００６年４月、証券市場ＢＣＰ協議会開催、証券市場ＢＣＰフォーラムの立ち上げ3４．証券市場全体的ＢＣＰ報告書の概要①Ⅰ．証券市場全体のＢＣＰの目標等１．証券市場に係る機能の継続、あるいは中断されても可能な限り短期間で重要な機能を再開、復旧又は代替する体制の整備２．適時適切な情報の集約・還元・提供を図る体制の整備Ⅱ．想定すべき危機事象とその取組み災害等の如何を問わず、市場慣行等が継続できなくなった場合を想定し、Ⅰ．の目標に照らし取り組むべき課題を整理する。その上で、災害等ごとに、また、危機度合いに応じた対策を必要に応じて整理する。4４．証券市場全体的ＢＣＰ報告書の概要②Ⅲ．ＢＣＰフォーラムによる継続的な検討証券市場全体のＢＣＰの検討、必要な措置を講じるため、米英の取組みを参考に、証券関係機関等で構成する証券市場全体のＢＣＰ検討フォーラム（以下「ＢＣＰフォーラム」という。）を設置することが必要。ＢＣＰフォーラムの運営は、日本証券業協会、証券取引所及び証券保管振替機構など、検討課題等に対応する既存の関係機関が担う。5４．証券市場全体的ＢＣＰ報告書の概要③Ⅳ．証券市場の継続等に必要な取組み１．市場機能の継続、再開・復旧に必要な横断的なＢＣＰの構築災害等発生時の証券市場に係る機能の継続、あるいは中断されても可能な限り短期間で重要な機能を再開、復旧又は代替する体制の整備について、取引所取引、公社債市場及び取引所市場外取引等ごとに整理して検討。２．証券市場インフラの連携等証券取引所、保管振替機関、証券取引清算機関など清算又は決済に関連した各関係機関における証券市場の横断的なＢＣＰへの取組みなどについて検討。証券会社間の連携、証券会社のＢＣＰ構築の実情を把握し促進。３．一時的に市場機能が失われた場合を想定した市場ルールの整備災害等発生時における約定、清算及び決済について、また、災害等で顧客資産が毀損した場合などの特別措置の検討。6４．証券市場全体的ＢＣＰ報告書の概要④Ⅴ．適時適切な情報の集約等に必要な取組み１．災害等発生時における、緊急対策関連通達等、証券関係機関等の業務継続の可否など適時適切な情報を集約・還元し、投資家などの市場参加者に広く提供する緊急連絡体制の整備。２．証券関係機関等の状況等を適時適切に把握できる掲示板の開設、投資家など市場参加者に広く提供できる体制の整備。３．平時から証券市場全体のＢＣＰ関連情報の集約等に活用。7４．証券市場全体的ＢＣＰ報告書の概要⑤Ⅵ．共同演習等の実施証券市場の継続等に必要な取組み及び適時適切な情報の集約等について、証券市場全体のＢＣＰの効果を検証、適宜共同演習等を実施する。Ⅶ．災害時における緊急対策本部の設置災害等が発生し、証券市場において通常の市場機能が継続不可能となっ